賃貸借契約の仲介手数料の負担割合について考えてみた

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部屋を借りると、お金がかかりますよね。
契約・引っ越し・家具を新調したり。

契約の費用をできるだけ抑えたい。と考えるのは当然だなと思います。

実は、賃貸借契約の仲介手数料は、大家さんと借主で折半してもよいのです。

なぜなら、法律に明記しているからです。

しかしなぜ、賃貸借契約の仲介手数料は、借りる側が全額負担なのでしょうか。

 

この記事では、賃貸借における仲介手数料の負担割合について、ワタシの業務経験から考察してみました。

 

結論
  • 手数料の借主全額負担は、古くから続く慣習で変えられない
  • 昔から大家さんは強い
  • 大家さんからお金をもらっている

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仲介手数料について

仲介手数料は、不動産屋の重要な収入源です。

賃貸だけでなく売買契約も行っている不動産屋であれば、収入は高くなります。

そもそも、賃貸借の家賃と比べて建物価格はケタが違い過ぎですよね。

例えば、1,000万円の物件の場合の仲介手数料は、

(1,000万 × 3% + 6万 )× 1.1(消費税)=39万6千円 になります。

一方、家賃10万円の仲介手数料は

10万 × 1.1(消費税)=11万円 です。

賃貸借契約のみで収入を得るには、大変なことが分かりますね。

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ここで、法律をみてみましょう。

宅地建物取引業法(報酬)第46条

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。(↓下記記載の告示)

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和45年10月23日建設省告示第1552号)最終改正令和元年8月30日国土交通省告示第493号

第4 貸借の媒介に関する報酬の額

宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものである場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の1月分の1.1倍に相当する金額以内とする。

この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たつて当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の1月分の0.55倍に相当する金額以内とする。

出典:国土交通省 不動産流通 報酬について

 

賃貸借契約において、不動産屋は家賃の1カ月分を超える仲介手数料を受け取ってはならない。ということです。

そして、依頼者の承諾なしで大家・借主どちらか一方から、家賃1カ月分の仲介手数料は取れないことになっているのです。

告示には「依頼者」と書かれてます。大家・借主とちらでも取れるような、あいまいなことばだなあ。とワタシは思います。

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「借主の仲介手数料は100%」は慣習であること

それでは、なぜ借主が全額負担しているのでしょう。

理由を知るために、歴史を振り返ってみます。

仲介手数料は江戸時代には存在していたようです。
家を紹介した料金として、大家さんはお金をもらっていました。

大家さんになれる人は、武家と寺社がほとんどでした。
有名な身分制度士農工商」があった時代なので、土地・建物を持っていた人は、権力があったのではないかと思われます。

大家さんが強力なことが分かりますね。

そして、昭和27年には「宅地建物取引業法」が成立しました。

しかし、江戸時代からあった紹介料が、慣習となり未だ続いているわけですね。

不動産屋と大家の関係

不動産屋と大家さんは、長ーい付き合いがあります。

入居者は退去すればお付き合い終了ですが、物件を任せていただいている間は、大家さんとのお付き合いが継続するのです。

なので、不動産屋はこのお付き合いを続けようと必死になります。

他の不動産屋に取られてしまうと、お店の印象が悪くなります。
大家さん同志がつながっていることもよくありますので、いろいろな情報が流れてしまいます。あまりサービスがよくない。とかね。

昔から続いている慣習と、強気な傾向もあり、大家さんから仲介手数料を取ることが難しいのではないかと、ワタシは考えます。

最近は、仲介手数料0.5か月分の物件も多くなりました。
背景には、裁判で判決が出たことにあると思います。

強気な大家さんから仲介手数料の半分なんていまさら請求できないのが、不動産屋の本音と考えます。

だから、入居者に100%請求がいくのだと思います。

不動産屋は別の名目で大家からお金を頂いている

不動産屋は、仲介手数料が請求できないなら、他の何かで大家からお金を頂けないのか。と考えたのが

  • 広告料
  • 家賃物件管理料

広告料は、新聞のチラシや住宅情報雑誌・ネット掲載などの手数料を負担頂くことです。

ワタシが働いていたお店は、特別な広告(急募の物件など)の場合のみ広告料の5%を頂いていました。

管理料は

  • 家賃管理(家賃は不動産屋に振り込み、確認後、大家へ渡す。滞納者への対応)
  • 建物の修理の対応(修理会社へ依頼)
  • 入居者からのクレーム
  • 鍵の管理など

などを不動産屋にお願いしたときに、大家が支払うお金です。
管理料をいただければ、代わりに入居者へ対応しますよ。ということです。

ワタシが働いていたお店では、家賃1カ月分の5%を、毎月頂いていました。

利用は任意で、遠方に住んでおり対応ができない方や、単に面倒くさい方が利用していました。

家賃が10万円で管理料が5千円になります。
10部屋管理だと、月々5万円。10部屋の建物が10棟あれば、50万円。
大きな収入になりますよね。

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まとめ

 

たふきの考察
  • 手数料の借主全額負担は、江戸時代から続く慣習で変えづらい
  • 昔から大家は強い
  • 大家から広告料・管理料を頂いているので、仲介手数料を請求できない

不動産の売買契約は、売主・買主双方から仲介手数料を頂いています。

それと同様にするのであれば、仲介手数料も貸主・借主折半にすべきではないかと、ワワタシは思います。

仲介手数料に関する裁判があり、判決も出ましたので、負担割合を法律やガイドラインとして、明確にしてほしいところであります。

そもそも契約が成立しないと仲介手数料は頂けないですし、負担割合で揉めることもあります。入居を断られるケースも見受けられます。

仲介手数料の支払額を抑えたければ、物件を紹介してもらう段階で金額をチェックすることが大事だと思います。

最近では、仲介手数料0円の物件が増えてきましたので、初期費用を抑えたい人は探してみるのもアリです。

自分が納得できる物件を見付けられるまで、とことんまで探しましょう。

 

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