土地から文化財が出てきた。さあどうする?【マメ知識】

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日本には至る所に遺跡が埋まっていると言われています。判明している数は約50万件で、1年に約9,000件の出土があるそうです。

土地を買って工事をしてたら、土器が出てきちゃった!

さあ、どうしたらいいでしょうか。ちょっと興味出てきました?

土器は「文化財」の1つで、歴史的に大事なモノです。

壊してしまってはもったいないですよね。
自分のモノにして、大事に取っておきたいと思ってしまいますよね。

この記事では、宅建士のワタシが「文化財」について詳しく解説をしていきます。

  • 文化財とはなにか
  • 土地から文化財が出てきたらどうしたらよいのか
  • 建築工事はどうなってしまうのか

 

結論:文化財をみつけてしまったら
  • 文化財は落とし物
  • 警察または教育委員会へ連絡すること
  • 工事を変更しなけらばならない可能性がある

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見つけた埋蔵文化財は落とし物

発掘調査で発見された出土品は、「遺失物法の埋蔵物としての取扱い」になります。

落とし物と同様、警察へ届け出なければなりません。

出土品は埋蔵文化財なのかを鑑定され、基本的には所有者へ返します。文化財と認められたが所有者が分からない場合には、都道府県に帰属されます。

また、「文化財保護法」で持ち帰ったり掘ったりしてはいけないことになっています。教育委員会へも連絡をしましょう。

文化財保護法について

 
文化財保護法の目的
  • 文化財の保存とそれを活用すること
  • 国民の文化的向上のため役立つようにすること
  • 世界文化の進歩に貢献すること

文化財」とは、以下のモノを示します。

  • 建造物や美術品
  • 音楽や演劇などの「無形文化財
  • 生活や信仰・行事などの「民族文化財
  • 貝塚や古墳・城跡など

歴史を知るうえで、文化財は重要なものなのです。

土地に埋蔵されている文化財埋蔵文化財といいます

 

文化財保護法による手続き

埋蔵文化財はとても大事なものなので、建築工事現場で見つけた場合には、さまざまな届け出が必要になります。

埋蔵文化財を壊さないようにするため、工事の変更を余儀なくされることもあります。工事場所をずらしたり、計画の変更をすることにより、埋蔵文化財の発掘が不要の可能性があるからです。

文化財が埋まっている土地であるかを調べる

工事場所に文化財があると分かっていれば、国や都道府県・市町村は「周知の埋蔵文化財包蔵地」として、地図・台帳に登録をします。

この地図・台帳は、「市町村の教育委員会」管理しています。

まず、工事場所が「周知の埋蔵文化財包蔵地」なのかを、教育委員会で確認をおこないます。

周知の埋蔵文化財包蔵地ではなかった・可能性もない場合

予定通りに工事ができます。手続きの必要はありません。

周知の埋蔵文化財包蔵地だった・可能性がある場合

  • 工事場所に周知の埋蔵文化財包蔵地があった
  • 周知の埋蔵文化財包蔵地が工事場所の近くにある
  • 遺跡がありそうだという情報がある
工事の規模は関係なく、工事着手の60日前までに教育委員会への届出が必要です

 

教育委員会は、現地の調査と試しに土地を掘ってみます。

文化財がなかった、工事が文化財に影響がないことが確認されれば、予定通りに工事を進めることができます。

文化財があると判断されると、厄介なことになります。

  1. 工事自体を変更する
  2. 本格的に発掘調査をおこない、記録を残す(義務づけられている

発掘にかかる費用は、通常、土地の所有者が負担することになります。工期も遅れてしまいますよね。

土地の所有者・事業主と教育委員会とで、発掘調査の方法や期間などについて話し合いをおこないます。なるべく負担がすくなくなるように検討されます。

売買契約のとき告知義務がない

売買契約の時には「重要事項の説明」が必ずありますよね。

実は「埋蔵文化財包蔵地」について、宅建業法上、重要事項の説明事項に入っていないのです。

しかし実際には、契約のトラブルを回避するため、市町村で閲覧できる「埋蔵文化財分布図」を調べてその内容を買主に伝えています。

工事が遅れて、買主が損をしたら大変なことになります。
なので、重要事項の特記として説明をするのです。

もし、文化財が埋まっている可能性が少しでもあるのであれば、万が一のため、営業マン確認しておくことをおススメします。

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まとめ

「買った土地から宝物が出てきて、お金持ちになれる~!!!」なんて浮かれている場合ではありません。

埋蔵文化財は厄介なものなのです。

ただ、埋蔵文化財があるということは、昔から災害の少ない土地であるとも言えます。

神社やお城などは大事な建物ですから、容易に壊れてほしくないですよね。丈夫な土地に作っているのだと思います。

住居跡や貝塚もそう。安心した土地だから昔の人々が住んでいたのでしょう。

時が過ぎて土地の形状は変わってしまいましたが、大きな災害が少ない場所の目安にはなるかと考えます。先人の知恵ってやつですね。

土地を購入する際の参考になればと思います。

 

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